30

 

今・・・何時だろう・・・

 

この感じは10時ごろか・・・

 

2時間ほど寝ただろうか

 

体の痛みで目が覚める

 

椅子としては豪華なのだろう

 

黒くやや大きめな作りだが

 

年季が重なり古びたそれは所々合皮が剥げている

 

またやってしまったか・・・

 

朝刊業務と事務作業を終え深く椅子に腰掛ける

 

椅子全体が傾きリクライニングすると

 

そのまま気絶するように眠りに落ちてしまう

 

この生活が早いもので6ヶ月続いている

 

明日はちゃんとソファーで寝よう・・・

 

そう呟きながら用意しておいたスーツに袖を通す

 

松山YEG創立30周年記念大会に出席する為に用意したものだ

 

出発前に雑務で時間を取られてしまった

 

会場はANAクラウンホテル

 

昼食をロープウェイ街にあるラーメン屋で取ろうと決めていた

 

特徴的な外観で以前から気になっていたがなかなか足を向ける機会がなかった

 

多少の違和感を感じながら観光客と大学生が行き交う通りをスーツ姿の男が行く

 

入り口から店内をさっと見渡すと立地柄なのか客層が若い様子だ

 

店員も大学生なのだろう若い女性スタッフで活気がある

 

店主は私と同い年ぐらいか少し上か・・・

 

入り口から入ってすぐのカウンターにサッと腰を下ろす

 

対面キッチンのこちら側がカウンターテーブルになっている、いかにもラーメン屋的なカウンターの切り上がった壁に小さくメニューが貼ってある

 

さて、今日は何をたべようか・・・

 

一見客にも関わらずまるで常連かのようにメニューを覗き込む

 

メニューの中に1番人気と書いてあるラーメンがあるこれはありがたい

 

よしこれにしよう・・・

 

そう思ったか思わないか

 

私が店内に入ってからずっと視線を感じていた女性スタッフが近づいて来た

 

っお!!注文を取りに来てくれるのかタイミングが良い・・・

 

女性スタッフ

「すいません・後ろに券売機がありますので」

 

っは!!!しまった。

 

一見客とバレてしまった・・・恥

 

・・・

 

・・

 

 

すぐに食券機で食券を買い手渡す

 

出来上がりまで携帯を操作していると

 

店主がおもむろに距離を詰めて来て話しかけてくる

 

店主「もうすぐ始まりますね」

 

一瞬呆気に取られるが

 

店主の目線が襟にある徽章を注視している

 

立て続けに

 

店主「すいませんあまり参加できてなくて」

 

 

っお!!このかたは松山単会の方なのか

 

 

一通りの挨拶と自己紹介に名刺交換をさせてもらった

 

注文したラーメンが運ばれ食事も終わりかけた頃

 

再び話しかけられ携帯を差し出された

 

 

画面を見ると会場でリハーサル真っ最中の画像が表示されていた

 

 

やってますね・・・

 

これから参加してきます・・・また来ますね

 

 

 

お腹と心が満たされて店を出た

 

 

その通りは来た時とは違う暖かみのある

 

 

友がいる景色となった・・・

 

 

 


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いつかの昼食

松山ロープウェイ街

真鯛らーめん 麺魚 松山本店」